フォロワーが5千人以上いれば、フェイスブックやツイッターなどの個人アカウントも「メディア」とみなす――そんな法案が16日、エジプト国会で可決された。エジプトではメディアの政権批判が厳しく規制されている。これに加えて市民の表現の自由も制約を受けることになりそうだ。
AFP通信などによると、法案は定数596の議会で3分の2の議員が賛成して可決された。近年のエジプトでは、当局が政権に批判的な記事を虚偽報道や大衆扇動と判断し、記者を数カ月も拘束する例が相次ぐ。この法律でメディアとみなされた個人も、同様に扱えることになる。
ムバラク独裁政権が倒れた2011年の「アラブの春」では、民主化デモの連絡手段に普及途上のフェイスブックなどが使われた。政権にとって、フォロワー数の多い個人はうとましいという事情がありそうだ。(神田大介)