県内でも3人の死者が出た今月上旬の西日本豪雨の際、高知市が開設した災害対策本部の本部員会議メンバーの横田寿生教育長、弘瀬優総務部長が、会議を欠席して北海道へ競馬観戦旅行に出かけていたことが市への取材で分かった。総務部の諸石信広副部長も同行しており、吉岡章副市長は10日、「災害時に2人とも県外にいては即時対応できないので困る」と弘瀬部長と諸石副部長に対し口頭で厳重注意した。
市によると、本部員会議は避難勧告などの情報発令のタイミングや避難所開設など災害対策本部の方針を決める場で、岡﨑誠也市長や副市長、各部長ら計16人で構成。4日午後3時に対策本部が発足後、5日午前9時から7日午後2時まで計5回開かれた。
旅行には3人のほか4人の市職員の計7人が参加。7日午前に空路で高知空港から東京を経由して北海道函館市へ向かい、9日午後に高知に戻ったという。
市は6日午前10時半から7日午後5時15分まで「避難準備・高齢者等避難開始」情報を6学区の計約1万9千世帯に出していた。6日夕方に警戒態勢を縮小したが、7日午前には雨量が強まったなどとして3回にわたり増強。本部員会議も7日は午前と午後の2回開かれたが、メンバーの2人は代理を出席させたという。
市内では豪雨による死者はなかったが、道路の冠水や崖崩れなどの被害が出て最大11人が避難した。
岡﨑市長は28日、「本部員が不在の場合は代理職員が対応し、災害対策本部全体の動きの不備はなく迅速に対応を行いました」とコメントを出した。(加藤秀彬、清野貴幸)