広島・呉で暮らす女性を主人公に戦時下や戦後の日常を描いた漫画「この世界の片隅に」を題材とした特別企画展が、東京都千代田区の「昭和館」で開かれている。作中の場面と実際に使われていた道具など計約240点の資料を見比べ、当時の人々が置かれていた状況を追体験できる。
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「この世界の片隅に」は厳しい状況のなか、主人公のすずが衣食住を工夫し、家族らと寄り添い生きる様子を描いた。2016年にはアニメ映画となり大ヒットした。展示では登場人物の服装、武器生産で不足する金属品の代わりに使われた陶製アイロンなどの日用品、愛国イロハカルタといった資料を、作品の登場シーンのパネルとともに解説する。
昭和館は戦中や戦後の労苦を後世に伝えるため、1999年に開館した国立の博物館。特別企画展は9月9日までで入場無料。開館時間は午前10時~午後5時半で月曜休館。8月5、11日には昭和に関する絵を描くかるた作りの体験もできる。問い合わせは学芸部(03・3222・2577)へ。(佐藤啓介)