世界でマダガスカルだけにすむキツネザルの仲間111種の9割超が絶滅の危機にあると、米自然保護団体「グローバル・ワイルドライフ・コンサベーション(GWC)」や国際自然保護連合(IUCN)などの専門家グループが1日、発表した。
どうぶつ新聞
アフリカ・マダガスカルは生物多様性が豊かで、今も多くの新種が見つかる。その一方で、焼き畑農業や違法伐採などによる熱帯林の破壊も深刻。キツネザルの生息域が脅かされているのに加え、最近では食料やペットにするために狩猟対象になっているという。
専門家グループがキツネザルの仲間111種について生息状況を調べたところ、105種が絶滅の危機にあった。ワオキツネザルや50匹ほどしか生息していないキタイタチキツネザルなどが含まれているという。調査を受け、IUCNは12種を新たにレッドリストに加える方針。リストに記載済みの種についても、絶滅危惧レベルの引き上げを検討する。
GWCのラッセル・ミッターマイヤーさんは「キツネザルだけではなく、マダガスカルの生物多様性全体への破壊的脅威を示すものだ」と警告している。(杉本崇)