気象庁は1日、7月の天候のまとめを発表した。太平洋高気圧の勢力が強かった影響で、月平均気温は1946年の統計開始以来、東日本で過去最高となった。西日本でも第2位タイの高温だった。7月上旬には西日本豪雨が発生。広島など124地点で観測史上最多の降水量となった。気象庁は7月の天候について「異常気象だった」との認識を示した。
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同庁によると、東日本の7月の平均気温は平年よりも2・8度高かった。太平洋高気圧が5千メートルほど上空で強まったところに、チベット高気圧が1万5千メートル付近で大陸側から張り出し、日本の上空で重なるなどしたためだ。地点別でみると、東京は平年より3・3度高い28・3度、名古屋が2・9度高い29・3度、大阪が2・1度高い29・5度、福岡が1・5度高い28・7度などだった。
特に23日は記録的な暑さとなり、埼玉県熊谷市で国内の観測史上最高を約5年ぶりに更新する41・1度を記録。全国の観測地点の約4分の1で最高気温が35度以上の猛暑日となり、同庁も「一つの災害と認識している」と危機感を示していた。
晴れた日も多く、東日本の日本海側の月間日照時間は平年比179%と、46年の統計開始以来最も多かった。
また、7月上旬は梅雨前線や台風7号の影響で、西日本を中心に記録的な大雨となった。梅雨前線が東日本から西日本の上空で数日間ほぼ同じ位置に停滞していた。48時間降水量は、広島市や岐阜県高山市などのアメダスの124地点で観測史上の最多降水量を更新。降水量平年比も沖縄・奄美で832%、西日本で372%、北日本で322%となるなど、61年の統計開始以来、それぞれ7月上旬としては最多の値を更新した。
同庁は「30年に1度あるかないか」という気温や降雨を異常気象と位置づけているが、7月は異常気象だったとの認識を示した。
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1日も各地で厳しい暑さとなった。京都府舞鶴市で38・6度、埼玉県熊谷市で38・3度、岐阜県美濃市で38・2度など200地点で猛暑日を記録。東日本と西日本では暑い日が1週間以上続く見込みで、同庁は「熱中症に注意してほしい」と呼びかけている。(角拓哉)