東京都の小池百合子知事が、9月1日に都内で営まれる関東大震災の朝鮮人犠牲者の追悼式典に、今年も追悼文を送らない方針であることがわかった。都建設局の担当課長が取材に「今年も判断に変わりはない」と述べ、昨年に引き続き送らない方針を明らかにした。
追悼式は1923年の関東大震災で「朝鮮人が暴動を起こした」といったデマを信じた住民らに虐殺された朝鮮人らを追悼するため、日朝協会などが開いている。式典には毎年、都知事が追悼文を寄せていたが、小池氏は昨年、「全ての犠牲者に哀悼の意を示しており、個別の形での追悼文は控える」として送るのをやめた。
日朝協会などのメンバーは8日、都庁を訪れ、追悼文の送付を求め、8596筆と142団体の署名を渡した。会見した日朝協会都連の宮川泰彦会長(77)は「天災による犠牲者と人の手で命を奪われた犠牲者をひとくくりにするのは、虐殺否定論者にくみすることになる」と訴えた。(西村奈緒美、編集委員・北野隆一)