独特のにおいで嫌われ者のカメムシの魅力を知る企画展「カメムシすごいぜ!」が群馬県立ぐんま昆虫の森(桐生市新里町鶴ケ谷)で開かれている。においを発生させる装置や生体などの展示があり、子どもたちでにぎわっている。
展示には10種類ほどの生体のほか、150種類以上の標本が並ぶ。一番人気はカメムシのにおいを再現したコーナーだ。「クサギカメムシ」と書かれた装置のボタンを押すと、おなじみのくさいにおいが吹き出る。一方、「オオクモヘリカメムシ」は青リンゴのような「いいにおい」だ。
県内の中学生を対象にしたアンケート結果も紹介され、「好き」1%に対し「嫌い」は71%だった。企画した学芸員の茶珍(ちゃちん)護さん(40)は「いいにおいやきれいな色のカメムシもいる。食わず嫌いにならず、意外な生態を広めたかった」と話す。
29日には兵庫県の伊丹市昆虫館でカメムシを研究する長島聖大さん(38)の講演があった。研究を始めたきっかけは駆除が目的だったが、「よく見ると、きれいな形や色をしている。でも、においだけは今も大嫌い」と話し、会場を沸かせた。埼玉県入間市の仲樹希さん(12)は「嫌い寄りだったけど、少し好きになった」と話した。
8月26日まで。問い合わせは昆虫の森(0277・74・6441)へ。(山崎輝史)