原発の使用済み核燃料を再処理して得られるプルトニウムについて、日本が再処理に乗り出した1970年代、当時の米カーター政権が、使い道のない余剰分が出ることを数値予測していたことが機密解除された米公文書でわかった。予想は大筋で的中し、日本の保有量は90年代に10トンを突破。その後も歯止めがかからず、現在は国内外に約47トンを抱える。原子力委員会は7月末、米国の要求に応える形で、現状を上限に余剰を減らす新方針を打ち出した。
日本の余剰プルトニウムに深い懸念 米公文書から浮かぶ
文書は、米民間研究機関「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」が昨年公開した資料の中から見つかった。79年10月11日付の米政府の報告書では、英仏に再処理を委託する分と東海再処理施設(茨城県)で新たに取り出す分から、国内の高速炉などで使う分を差し引いて保有量を推計。余剰分は、ほぼゼロだった80年から90年に最大約12トンに増えるとした。日本政府が公表した保有量は93年時点で約11トンだった。
80年5月29日付の文書では、米国家安全保障会議の職員が「日英仏の再処理工場が動けば00年までに(日欧で)数百トンの余剰が出る」などと警告。英仏で再処理が進む一方、六ケ所再処理工場(青森県)は完成せず、00年の日本の保有量は37トンだった。
米国は原子力の平和利用の一環…