1997年から2006年まで2期10年、第7代国連事務総長を務めたコフィ・アナン氏が18日、病気で死去した。80歳だった。コフィ・アナン財団が発表した。冷戦後の国際社会の平和の担い手としての貢献が評価され、2001年に国連とともにノーベル平和賞を受賞した。
ロイター通信によると、スイス・ベルンの病院で死去した。
西アフリカのガーナ出身。62年に世界保健機関(WHO)を振り出しに、国連平和維持活動(PKO)の担当事務次長などを歴任後、国連職員として初めて事務総長に選出された。在任中は市民の保護のための武力行使など、PKO強化に尽力した。
03年開戦のイラク戦争では「法を逸脱した武力行使」と米国を批判。06年の退任時には「最悪の経験」として「可能な手段のすべてを尽くしたが、イラク戦争を止められなかった」ことを挙げた。(ニューヨーク=金成隆一)