小学生の3割がランドセルを背負ったときに痛みを感じている――。そんな実態がランドセルメーカー「セイバン」(本社・兵庫県たつの市)の調査で浮かんだ。「ゆとり教育」の見直しで教科書が重くなっていることが背景にあるとみられる。
今年3月、同社がインターネット調査に応じた2千組の母子のサンプルを分析。1週間のうちランドセルが最も重い日の荷物の重さは、平均約4・7キロだった。学年が上がるほど重くなる傾向で、6年生は平均約5・4キロに達していた。
同社によると、人工皮革のランドセルの重さは業界平均で約1・3キロ。6年生の場合、ランドセルと荷物を合わせれば、最も重い日で約6・7キロを背負って登下校していることになる。
ランドセルを背負ったときに「痛みを感じる」と答えた児童に部位を尋ねると、「首の付け根」(11・6%)、「首の後ろ」(10・7%)が多かった。
体に負担をかけないためには、服装や子どもの成長に応じて肩ベルトの長さを調整することが必要だが、「子どもの体に沿わせて調節している」との回答は66・2%にとどまった。
背中とランドセルに隙間があると、ランドセルの重さで後ろに引っ張られて前傾姿勢になり、肩や腰への負担が大きくなる。同社は背中に密着させて背負うよう呼びかけている。(西見誠一)