世界各地をめぐるピースボート「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」の船が21日午前、旅を終え、横浜港(横浜市)に戻った。ピースボートは、ノーベル平和賞を昨年受賞した国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)の運営に参画。被爆者を含む約千人が乗船し、平和賞のメダルの公式レプリカを携え、15カ国18都市で核兵器廃絶や平和を訴えた。
船は5月8日に横浜港を出港。被爆者2人と被爆2世1人も外務省委嘱の「非核特使」として乗船した。
船旅の一部に参加したICAN国際運営委員でピースボート共同代表の川崎哲さんは「ノーベル平和賞の後押しもあり、各国でこれまでにない手応えを感じた」と話した。長崎で被爆した倉守照美さん(74)は旅を終え、「核兵器禁止条約を世界へ訴えるため、日本も批准するよう若い人たちとともに働きかけていきたい」と話した。広島で被爆した上田紘治さん(76)は「世界を旅して先進国は平和の意味では先進ではないと感じた。核兵器廃絶の意味を知ってほしい」と訴えた。(中山由美)