西日本豪雨で、大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町で浸水が広がる様子を、東京理科大の二瓶(にへい)泰雄教授(河川工学)らが、シミュレーションで再現した。29日から札幌市で開かれている土木学会の全国大会で発表した。
二瓶さんらは、町を東西に流れる小田川とその支流の水量や堤防決壊で氾濫(はんらん)した水量のデータと、被災した住民らへの聞き取り調査などを元に、浸水が広がる状況を再現した。約1200ヘクタールに及ぶ浸水域の広がり方は、場所によって時間差があった。
被災地のために今できること…西日本豪雨支援通信
西日本豪雨、列島各地の被害状況は
最初の氾濫は7月7日午前0時前、小田川に流れ込む支流で発生。その後、町の西側で浸水が進み、午前3時過ぎに水深4メートルに達する場所もあった。さらに、2本の支流に挟まれた町の中央部にも流れ込んだ。
午前6時以降、町の東側にも浸水が広がり、正午ごろにはこのエリアも水深3メートルを超えた。夕方には5メートルに達する場所も出た。
二瓶さんは「浸水の広がり方が単純ではないことを理解してもらい、改めて早めの避難を意識してほしい」と話している。(小林舞子)