講談師の旭堂南青(きょくどうなんせい)(38)が今秋、真打ちに昇進し、「旭堂南龍(なんりゅう)」を襲名する。明治期に活躍した上方の人気講談師「藤井南龍」の名を継ぐ。南青は「険しい道かもしれないが、いつか(芸の)頂にたどり着けるよう、面白いなあ、かっこいいなあと言ってもらえる魂を込めた高座を続けていきたい」と決意を語る。
南青は近畿大を卒業後、2004年に旭堂南左衛門に弟子入り。関西を拠点に精力的に講談会を開き、女性を中心に人気を集める。
上方講談界では真打ち制度は途絶えていたが、「講談をもっと世間に広め、次の時代を担う後継者を育てる責任がある」として、南青が27年ぶりに真打ちに昇進することになり、あわせて襲名も決まった。師匠の南左衛門は「一回りも二回りも大きな講釈師になってほしい」と期待をかける。
真打ち昇進・襲名披露興行は11月10日、大阪市北区堂島浜の中央電気倶楽部(くらぶ)で。新南龍は人間国宝・一龍斎貞水(いちりゅうさいていすい)に稽古をつけてもらったという「忠僕直助(ちゅうぼくなおすけ)」を演じる予定。チケットは9月10日発売。(深松真司)