約280万人が訪れた青森ねぶた祭(8月2~7日)の期間中、近くのコインパーキングが1時間5千円という「特別高価格」の料金を設定した。提携するホテルの客を優先する目的だったというが、価格表示に気づかずに高額請求を受ける人が続出し、中には数万円払った人も。値段のつけかたがひどいのか、確認せずに利用した人の自業自得なのか――。
4日夕から5日朝にかけて、この駐車場を利用した男性(25)は、精算機の表示に目を疑った。7万5千円。提携する「ホテルJALシティ青森」でランチを頼む代わりに、2時間分を無料にしてもらった。それでも6万5千円。
コンビニのATMでおろして、千円札65枚で支払った。駐車場の看板や発券機、精算機の計12カ所には「特別高価格にご注意ください」「60分5000円」といった貼り紙があったが、「『空』の表示を見てラッキーと思い、目に入らなかった」。
祭りの実行委員会は観光客用に臨時駐車場を設けていたが、ねぶたの運行コースからは遠い。一方、問題の駐車場は青森市の中心部にあり、運行コースにもほど近い。いつもは日中20分100円だが、祭り期間中に限って通常の16倍超の料金が設定された。
駐車場の運営会社「パラカ」(東京)は「最大限表示をしていたので利用する人はいないと思った」と言うが、実際には5千円以上の駐車料金を払った人は76人に上り、3万円以上支払った人も5人いた。請求に驚いてホテルに相談に来る人が続出し、JALシティは料金を支払った人に「見舞金」として5千円分の金券を渡すなど、対応に追われた。
事態が報じられると、ネット上では駐車場の運営手法を問題視する意見が出る一方、注意書きを読まなかった利用客を「自業自得」と批判する声が多く上がった。
駐車場法では、500平方メー…