男と女が夫婦になって、2人の間に子どもが生まれて。そんな結婚の“モデルパターン”に一石を投じる芝居「きつねのかみそり」を、虚空旅団が上演する。「こじらせたいわけじゃないけど、とらわれたいわけでもない」。作・演出の高橋恵(めぐみ)が描くのは、同性婚が認められた架空の国だ。
「2、3年前から、未婚の自分の老後はどうなるんだろうと考えるようになった」という高橋。周りには「老後は夫婦でなく友達と一緒に暮らしたい」と話す知人や、離婚した友人がいた。
くしくも東京都渋谷区で同性パートナーシップ制度が始まった時期。「性別やモデルパターンにとらわれず、誰と暮らすかを自由に考えられたら、もっと住みやすい社会になるんじゃないか」。そんな思いが強くなったという。
物語は未婚女性とバツ1子持ちの女性が主人公。同性パートナーとして一緒に暮らす2人の友情や迷いをつづる。とまどいつつも理解を示したり、反対したりする周囲との関わりを通して、家族のあり方や幸せな終末期に思いを巡らせる。
14~16日、兵庫県伊丹市のアイホール。一般前売り3千円、当日3300円、18歳以下2500円。劇団(090・3922・1204)へ。(岡田慶子)