鳥取県教委は13日、9月3日に実施した県公立学校教員採用試験の筆記試験で、小学校教諭の問題に誤りがあったと発表した。サマータイム(夏時間)を考慮しなかったことが原因。担当者はサマータイムの存在に「気づけなかった」と反省しきりで、受験した191人全員を正解にするという。
教育人材開発課によると、誤りがあったのは時差を問う選択問題。ロンドンを今年7月7日正午としたときの東京の日時を五つの選択肢から選ばせた。経度(ロンドン0度で日本135度、15度で1時間の時差)から計算すると、9時間の時差で同日午後9時を「正解」としていた。
しかし、実際には欧州連合(EU)の英国は3~10月、時計を1時間進めるサマータイムを導入しており、正しい東京の時刻は午後8時で、選択肢がなかったという。試験終了後、受験者から電子メールで指摘があった。
同課担当者は「9月はじめごろ、EUがサマータイム制度の廃止を検討しているという報道が話題になっていたが、(サマータイムの存在に)気づけなかった」と説明。問題作りの根拠となる教科書にサマータイムの記載があったことも見逃していたという。再発防止のため、試験直前の再チェックなどを検討していきたいとしている。同課によると、ほかに高校教諭の理科(化学)の穴埋め問題でもカッコ内に記載する番号を間違えるミスがあったという。(長崎緑子)