航空自衛隊は18日から米戦略軍が主催する宇宙状況監視(SSA)の多国間演習「グローバル・センチネル2018」に参加する。人工衛星との衝突が懸念される宇宙ごみ(スペースデブリ)監視などの知見を高め、「宇宙部隊」創設に向け、準備を進める。
演習への参加は今年で3回目。航空自衛官ら5人が28日まで、米ロッキード・マーチン社の施設で、人工衛星と宇宙ごみの衝突の予測や回避、発射されたロケットの監視などを机上で訓練する。
防衛省は来年度予算の概算要求で、宇宙状況監視システムの取得費268億円を計上。レーダーを海上自衛隊山陽受信所跡地(山口県山陽小野田市)に、得られた情報を集約、処理するシステムと宇宙部隊を空自府中基地(東京都府中市)にそれぞれ設置し、2023年度から運用を始める。
防衛省は、陸海空の自衛隊の区分けを超えた「クロス・ドメイン(多次元横断)防衛構想」を打ち出しており、丸茂吉成・航空幕僚長は14日の定例会見で、「宇宙は今後の運用を考える上で非常に重要なドメイン。(演習参加で)宇宙状況監視や米国との連携に関する知見を高められる」と述べた。(古城博隆)