米メディア大手メレディスは16日、傘下の老舗ニュース雑誌「タイム」を、企業向けクラウド大手セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ最高経営責任者(CEO)夫妻に売却すると発表した。売却額は1億9千万ドル(約210億円)。
売買にセールスフォースは関係せず、夫妻が個人的に保有する。タイム誌の日々の運営や編集上の決定には関与しないという。ベニオフ氏はタイム誌について「組織に深い敬意を抱いており、この象徴的なブランドの世話人になれるのは光栄だ」とツイートした。
米国ではIT業界で財をなした経営者が、不振に陥った伝統メディアを個人で保有する動きが出ている。ネット通販最大手アマゾンのジェフ・ベゾスCEOは13年、米紙ワシントン・ポストを買収した。
女性誌に強いメレディスは今年1月、タイム誌のほか「フォーチュン」「ピープル」といった著名雑誌を発行する米出版大手タイムを28億ドルで買収したばかりだった。ただ、自社の中心読者層から外れるタイム誌などは売却を探っていた。(ニューヨーク=江渕崇)