20日に投開票された自民党総裁選で、安倍晋三首相を相手に善戦した石破茂・元幹事長が45%を獲得した「地方票」に注目が集まっている。首相が苦戦した地域を分析すると、統一地方選や参院選を来年に控えた党員らの不安や不満が垣間見える。
特集「安倍×石破 二人が見る日本―自民党総裁選2018」
地方票は党費や会費を納める党員・党友が投じる票のことで、党の都道府県連が集計する。今回、首相が石破氏を上回ったのは47都道府県のうち、37都道府県に上り、石破氏が首相を上回ったのが10県だった。
首相が優位な戦いぶりを見せたのは、二階俊博幹事長の地盤の和歌山をはじめ、菅義偉官房長官の神奈川、麻生太郎財務相の福岡など、政権幹部の地元だった。東京や大阪も押さえた。石破陣営は「都市部での首相側の組織票固めの動きが見えず、手を打てなかった」と言う。
一方、石破氏が勝った茨城、富山、三重、鳥取、島根、徳島、高知、宮崎の8県は、石破派や石破氏を支持した参院竹下派の議員らが地盤とする地域。鳥取・島根、徳島・高知は参院選の合区導入県でもあった。石破氏は憲法改正の優先項目として「合区解消」を主張し、安倍陣営の幹部は「(石破氏の)合区批判の影響がもろに出た」と受け止めた。
参院選の1人区のうち、201…