手や足の形状が不完全な状態で生まれる「先天性四肢形成不全症」の子どもが、日本では1年で約400人生まれている――。東京大学医学部付属病院の芳賀信彦教授と藤原清香助教(いずれもリハビリテーション医学)らのグループが今夏、こうした推計結果を海外の医学雑誌に発表した。国内での人数はこれまで不明だった。芳賀教授は「全体像がわかれば、公的支援の充実を求める際の基礎データになる」と話す。
芳賀教授らのグループは2014~15年、整形外科と小児科、形成外科がある全国約2200の医療機関にアンケートし、不全症の人の初診数を調査。同じ患者が複数の医療機関を受診した場合は1人と数えるなどして、国内での1年間の出生数全体(約100万人)のうち、約400人が不全症だと推計した。6割超が手・腕のみの形成不全とみられるという。こうした全国調査で推計値を算出したのは初めてだという。
同病院は13年に四肢形成不全…