大相撲の幕内貴ノ岩(28)が4日、元横綱日馬富士(34)から受けた暴行で休場や十両陥落を余儀なくされたなどとして、日馬富士に2413万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
請求額の内訳は、治療費435万円、けがの影響で十両に陥落した間の幕内との差額給与148万円、本来得られたであろう懸賞金900万円、慰謝料500万円など。
貴ノ岩の代理人弁護士によると、日馬富士側から昨年末に示談の申し入れがあり、今年3月に交渉を始めたが決裂した。8月に東京簡裁に民事調停を申し立てたが、9月26日の調停を日馬富士側が欠席して不調に終わったため、提訴に踏み切ったという。
提訴を受けて日馬富士の代理人は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
貴ノ岩は昨年10月、鳥取市内のラウンジで、日馬富士から頭をカラオケのリモコンなどで殴られて負傷。翌11月の九州場所を休場して十両に陥落し、今年1月の初場所も休場した。日馬富士は事件の責任を取って引退し、傷害罪で罰金50万円の略式命令を受けた。(北沢拓也)