新潟県新発田市で昨年6月に中学2年の男子生徒が自殺した問題で、市教育委員会の第三者委員会は5日、「自殺の原因はいじめにあると推定できる」とする調査報告書を提出した。教師が生徒と向き合う時間が不足したことがいじめを見逃す要因になったとして、教員定数を増やすよう国や県に提言した。
第三者委によると、男子生徒は中1の夏休み明け以降、あだ名で呼ばれてからかわれるようになり、進級後もエスカレートしていったという。第三者委はこうした「からかい」や「いじり」をいじめと認定した。
昨年4、5月には男子生徒が担任に「あだ名で呼ばれている」と伝えたが、担任はいじめと認識せず、保護者にも伝えなかった。第三者委の工藤ひとし委員長は「教員の事務作業や課題が多すぎて、生徒からじっくり話を聞くことが少なくなっている」と述べた。
男子生徒は昨年6月、自宅の作業小屋で首をつった状態で見つかった。家族に「俺はいじめられていると思う」などと話していた。