買い物の額に応じて点数がもらえ、商品などと交換できる「ポイント」。最近は一つの店で何種類ものポイントが使えたり、カードの持ち歩きが不要なスマホのアプリが登場したり。進化しているサービスの上手な活用法を紹介します。
特定の店のポイントに対し、幅広い業種の提携店・サービスを持つのが共通ポイントだ。代表的なものは、Tポイント▽Ponta(ポンタ)ポイント▽楽天スーパーポイント▽dポイント、の四つ。いずれもカードは無料。提携店でもらえる。
100~200円の買い物で1ポイントたまることが多く、コンビニ、ドラッグストア、スーパー、デパート、ネット通販などで利用できる。
「ためる」「使う」共通化
「ある店でためて、別の店で使えるなど汎用(はんよう)性が高い点が魅力。一定数をためなくても1ポイント単位で使えます」。情報サイト「ポイ探(たん)」の運営者、菊地崇仁(たかひと)さん(42)はそう説明する。ただし、ポイントがたまるだけで使えない提携店もある。
また、集客の呼び水として、複数の共通ポイントに対応する店や事業者が増えているという。「例えば、マクドナルドでは楽天スーパーポイントかdポイント、高島屋はポンタかdポイント、東京電力はTポイントかポンタが選べます」
共通ポイントに加え店独自のポイントもたまるケースがある。ドラッグストアのマツモトキヨシ、雑貨店のPLAZA(プラザ)などだ。
ポイントをためても、使わなければ意味がない。菊地さんは「少しずつ使おうが一気に使おうが、1ポイントの価値は変わらないことがほとんど。期間限定のポイントもあるので、こまめに使うといい」と助言する。
より多くためるコツもある。ポンタは、レシートを投稿して何を買ったかという情報を提供すると、ポイントがつく。楽天スーパーポイントは、携帯電話や旅行サービスを利用すると通販サイト「楽天市場」でポイントの倍率がアップする。
スマホで一括管理も
様々な種類のポイントを集めようとすると、カードは増える一方だ。ポイント管理アプリ「スマホサイフ」の運営会社が、ネットを通じ15~69歳の約3千人に実施したポイントカードに関する意識調査によると、平均保有枚数は約20枚。不満点として、65・6%が「増えてかさばる」、46・2%が「持ち歩くのが面倒」を挙げた(複数回答)。
手持ちのポイントの有効期限は、定期的にチェック。使う機会が少ないものは、思い切って処分しよう。財布が膨らむのが嫌な人はスマホのアプリが便利だ。カードの代わりに店で画面を見せて使う。4大共通ポイントは、いずれもアプリがある。
菊地さんのお薦めは、複数種類のポイントを一括して管理できるアプリだ。「スマホサイフ」はTポイントのほか、ラーメン店の一風堂、シュークリーム専門店のビアードパパ、などの独自ポイントに対応。「ショプリエ」は、ポンタ、ビックカメラなどのポイントを管理できる。
通販・コンビニ・家賃…暮らしに浸透
共通ポイントサービスの誕生は2003年。レンタル大手TSUTAYAやガソリンスタンドENEOSなど、複数の店で使える「Tポイント」だ。それ以前は、家電量販店やクレジットカード会社などがそれぞれ独自のポイントを発行していた。10年にはローソンや昭和シェル石油で使える三菱商事系のPonta(ポンタ)もスタートした。
13年にはヤフーのネット通販でTポイントが使えるようになり、14年にはネット通販「楽天市場」の楽天スーパーポイントが、コンビニやデパートにも対応を始めた。「ネットと街中のお店のポイントがつながり、とても使いやすくなった」(菊地さん)という。
NTTドコモが15年に始めたdポイントは、携帯電話の利用でポイントがたまり、料金の支払いにも充てられるように。今ではどのポイントも、電気料金や家賃の支払いなど生活の様々な場面でためたり使ったりできる。(北村有樹子)