「子育てにもっと笑顔を」の願いは海を越えた。1597年創業の宇津救命丸。栃木に生まれた日本有数の老舗企業がいま、中国で注目されている。少子化が進む日本で子ども向け医薬品の市場が縮小する中、長年培った信用がアジアで新たな地平を切り開く。
2016年11月。中国ネット通販大手のアリババ集団が自社のオンラインショッピングサイトで、宇津救命丸の乳児用スキンケア商品「ももの葉ローション」を特集した。通販番組の形式で日本と中国を結び、1時間の生放送を配信。日中両国の育児中の女性たちがベビーローションの使用感を語り合い、会社の歴史や高根沢町の工場も紹介された。
生放送は約4万人が視聴し、サイトへのコメントは2万件以上。その後、数回にわたって再配信された。評判は中国で広まり、通販だけでなく、日本のドラッグストアで買い求める中国人観光客も急増。年30万~40万本のヒット商品となった。
アリババは400年を越える伝…