「全国医学部長病院長会議」(会長=山下英俊・山形大学医学部長)は16日、東京都内で会見し、公正で公平な医学部の入試のあり方を検討する委員会を設けた、と発表した。東京医大による女子受験生らへの不利な点数操作の発覚などを受けた対応で、1カ月以内に考え方を示す方針だ。
東京医大では、浪人回数の少ない男子への加点などの点数操作が発覚。文部科学省が全国の医学部の調査に乗り出し、15日には昭和大も現役や1浪、同窓生の親類への優遇措置をしていたとして謝罪した。
委員会は入学者の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー=AP)について議論し、性別や浪人の回数、内部進学、地域枠など、様々な属性を持つ受験生の入試での公平性の担保などについて検討する。1カ月以内をめどにAPを作る際の規範を示し、各大学に参考にしてもらう。
規範公表後も、文科省の医学部入試の実態調査結果を踏まえて議論を続け、年度内にとりまとめる予定だ。委員長の嘉山孝正・山形大学医学部参与は「受験生や社会が『フェアだ』と思えるものを示したい」と話した。(小坪遊)