コーヒー好きの必需品、コーヒーフィルター。100円ショップで100枚入りの商品が買える中、岐阜県美濃市の手すき和紙職人が1枚500円ほどする使い捨てフィルターを作り、売り出している。「茶道の一期一会の精神を表現した。高いと思われるかも知れないが、一度のんでみてほしい」と、職人の沢木健司さん(38)は話す。
超高級コーヒーフィルター「立花」を販売するのは、美濃市立花の和紙工房「コルソヤード」。美濃市は古くから和紙の里として知られ、約100年前には和紙のコーヒーフィルターを輸出していたという。沢木さんは普段ちょうちんや文化財修復用の和紙を作っているが、コーヒー好きなこともあり、和紙フィルターの復刻を決意した。
薄くて丈夫な美濃和紙の伝統を受け継ぎ、できる限り薄いフィルターを目指した。10年以上かけて原料の配合などを研究し、独自のすき方で新聞紙の半分ほどの30マイクロメートルという薄さを実現した。さらにコーヒーを美しく入れられるように、工房の同僚で折り紙作家でもある有沢悠河さん(21)が、花のような折り方を考案した。
和紙フィルター作りは、自宅脇…