写真1 今回試用した、iPhone XR(ホワイトモデル)=高橋雄大撮影
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10月26日に発売予定の「iPhone XR(テンアール)」のレビューをお届けします(写真1)。今年のiPhoneは、9月発売の「iPhone XS(テンエス)」「XS Max」とXRの3機種。XSシリーズとXRの2シリーズに分かれ、発売日も別々になりました。
XSはどれも10万円超の非常に高価な機種でしたがXRはそれよりは少し安価。アップルによるSIMフリー版の場合、XSが11万2800円から、XS Maxが12万4800円からですが、XRは8万4800円からと購入のハードルは低くなっています(すべて税別)。では、性能はどうでしょうか。9月末からXS Maxを使っている筆者がXRとの違いを徹底解説します。(ライター・西田宗千佳)
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写真2 iPhoneとしては久々に6色ものカラーバリエーションがあることがXRシリーズの特徴。(写真は9月に開催された発表会より)
6色のカラーバリエーションに注目
まず外観の話から入りましょう。
XRは、iPhoneとしては久々に多数のカラーバリエーションを用意するモデルになりました。このところ、iPhoneはざっくり言って「白・黒・金」の3種類をまず展開し、発売から半年ほど経過すると「赤」が投入されます。しかし、XRは最初から、ホワイト、ブラック、ブルー、イエロー、コーラル、レッドの6色展開となります(写真2)。今回試用したのはホワイトです。iPhoneとしてここまで広いカラーバリエーションで展開するのは、2013年に発売された「iPhone 5c」以来です。
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写真3 XSシリーズはステンレスの光沢仕上げだが、XRはアルミニウムを使っていて、仕上げはマット。コネクターの位置などはかわらない=高橋雄大撮影
5cは、マルチカラーによるカジュアルなイメージを打ち出した製品で、価格も抑えめでした。素材も他のiPhoneがアルミボディーであった時代にプラスチックを採用し、ちょっと違う存在でした。そういう意味では、今回のXRも似ています。カラーバリエーションでカジュアルなイメージですし、素材もXSはステンレスであるのに対してアルミです(写真3)。
ただ、5cと大きく違う点がひとつあります。性能が上位機種であるXSとほとんど変わっていない、ということです。
写真4 左から、iPhone XS・XR・XS Max。ディスプレーサイズがそれぞれ違う。XRは真ん中の「6.1インチ」ディスプレーを採用している=高橋雄大撮影
5cは価格を抑えた差別化を行うために、当時の上位機種とは性能や機能面で差がつけられていました。指紋センサーもなく、カメラの性能も当時の上位機種である5sよりかなり見劣りするものでした。
写真5 中央がXR。上の「ノッチ」はどのモデルでも同じ大きさなのだが、XSシリーズはディスプレーが有機EL、XRは液晶であるため、黒い額縁の領域がXRのみ少し太い=高橋雄大撮影
しかし、XRはXSとほぼ同じ性能を備えています。本体サイズはXS・XS Maxの中間に位置していて、「6.1インチ」ディスプレーを採用しています。三つ並べるとまさに「兄弟」という印象です(写真4)。顔認証機能「Face ID」もありますし(写真5)、搭載されているプロセッサーも同じ「A12 Bionic」です。PCなどのパフォーマンスを測定できるベンチマークソフトを使ってみましたが、処理速度はほぼ同じといっていい結果が出ました。アプリを使う時の感覚でいえば、XSとXRで差を感じることはまずないでしょう。
カラーバリエーションが広くて機能が同じで、価格が安い。「なら、XSじゃなくXRを選んだ方がいいんじゃない?」
そう思う人もいるでしょう。
実際、その通りなのです。「今…