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カタイネン氏、柔軟さ求める 貿易紛争、日欧は問題なし

欧州連合(EU)の行政機関、欧州委員会のカタイネン副委員長は23日、東京都内で開いた記者会見で、7月に署名された日EU経済連携協定(EPA)について、EU側は12月中に議会採決などの手続きを終える予定だと説明した。日本とEUは、来年3月末までの協定発効をめざしている。


カタイネン氏は12月中旬に予定されている欧州議会でのEPAの採決について「何も問題は見当たらない」と述べ、同月にも加盟国間での承認手続きが進むだろうとの見通しを示した。


日EUのEPAが発効すれば、世界の貿易額の約4割を占める巨大な自由貿易圏ができる。最終的に日本側は全品目の94%、EU側は99%の関税を撤廃する。日本では、EU向けの自動車輸出などを増やしたり、EUからチーズやワインなどを安く輸入したりすることが期待されている。


EPAは、日EUが協力して保護貿易に対抗し、自由貿易体制を維持する狙いもある。カタイネン氏は会見で、米国と中国が貿易紛争に陥っていることなどを念頭に、世界貿易機関(WTO)を機能させるための改革の重要性にも言及。「欧州も日米も中国も、きちんと話し合いをしなければ多国間主義は崩壊してしまうだろう」と警鐘を鳴らした。


カタイネン氏は、日本とEUの閣僚が貿易問題や経済協力などについて話し合う「日EUハイレベル産業・貿易・経済対話」のために来日した。(軽部理人)


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