これまでのピーナツを超える存在に――。千葉県が約10年ぶりに開発した落花生の新品種「Qなっつ」の誕生祭が30日、JR千葉駅であった。安い外国産に押されて県産落花生の収穫量が減るなか、「県産の消費を拡大する起爆剤」として期待されている。
「Qなっつ」は従来の品種より「色白」で、クセのない甘みが特徴だ。誕生祭では森田健作知事が「香ばしくて、甘みがいい。皆さんもぜひ食べてください」とアピール。用意された650人分のQなっつに、長蛇の列ができた。
千葉は国産落花生の約8割を産出する全国一の産地だ。だが、昭和40~50年代に安価な中国産が台頭して以降、栽培をやめる農家が増え、収穫量も減少。1975年に1万8600ヘクタールあった作付面積は、昨年は5080ヘクタールにまで減った。
そんな中、多くの人に県産落花生に親しんでもらおうと開発されたのが、Qなっつだ。県は愛称を公募し、6330点の候補から、品種の特徴をよく表し、インパクトのあるQなっつを採用した。従来のピーナツを超える味に、という意味が込められている。
愛称を考案した一人で県立農業大学校研修生の伊豆丸智也さん(32)は「人気が出て、落花生だけでなく県の農業全体に興味をもってほしい」と話す。
県には販売が始まった今月から連日、販売先の問い合わせが来ている。担当者は「想定以上の反応。消費者の関心を高められるように取り組みたい」としている。
■「千葉半立」超える味…