対戦型のコンピューターゲームで技を競う「eスポーツ」を部活動で取り組む学校が広がっています。12月には全国大会も開かれ、既に40校以上が参加を予定しています。
三重県立松阪商業高校(松阪市)の「コンピュータ部」の部員たちが集まったのは、いつもの「コンピュータ室」ではなく隣の機械室。24日から部内の「eスポーツ」チームの活動が始まった。
めざすのは、12月に開かれる「第1回全国高校eスポーツ選手権」。5人で戦う「リーグ・オブ・レジェンド」と3人で戦う「ロケットリーグ」というゲームで出場予定だ。eスポーツ部の発足を支援したコンピューター関連企業「サードウェーブ」から貸与されたパソコン5台を前に、部員たちはネットワーク環境や参加ゲームの操作法を確認した。
部は普段、週に5~6日、パソコンやプリントに向かって情報系の資格勉強に取り組む。だが今後は、eスポーツのチームメンバーが午後5~6時に残ってゲームの練習をするという。
2年生チームの主将、明石宙(そら)君は「まさか部活でゲームの練習をするなんて……。実感が湧かないですね」と笑顔で話す。中学時代は剣道部。久々の「団体競技」にやる気十分だ。1年生チームの主将、川端章広君は早くも考えを浮かべる。「(ゲームの)キャラや操作量が多い。単なる技量だけでなく、連携や戦略が重要になってきそう」
愛知県立城北つばさ高校(名古屋市北区)でも、夏休み明けにeスポーツ部が発足した。部員は2年生約10人。全国大会をめざしている。
主将の徳田信忠君は元々ゲームが好きで、中学時代から一般の大会に出場。運動や音楽は得意な方ではなく、これまで部活動に入ったことがなかった。eスポーツ部に入部後は「学校に来るのが楽しくなった」と一変。練習中も他の部員に助言をし、連携を深めようとしていた。顧問の鈴木佑哉教諭(31)は「自立心が芽生えた。他の先生からも『変わったね』と言われ、思わぬ効果に驚いています」と話す。
体が不自由でも参加できるのが、eスポーツの良さでもある。ラハト・ホサイン君は3歳で交通事故に遭ってから歩けなくなり、小学生のころから車いすで生活している。本当はスポーツをやりたかった。だが、「ゲーム好き」を生かせる部に出合えた。「授業後に学校に残って部活をするなんて信じられない。仲間と一緒に、一つの目標に向かって頑張れる場所があるのはうれしい」
全国大会のエントリーの締め切りは11月21日で、予選は12月下旬。サードウェーブは、eスポーツ部を発足させる高校にパソコンを貸し出しており、10月28日までに42校が応募しているという。
eスポーツは「エレクトロニッ…