西郷隆盛ゆかりの湯として知られる薩摩川内市の川内高城(たき)温泉で、長年PR役を果たしてきた「西郷隆盛入浴像」がリニューアルされた。老朽化して青白くなっていたスリムな先代を撤去。たくましく色つやのいい新しい像が14日、お披露目された。
川内高城温泉は県内最古の温泉とされ、40代半ばだった西郷が近くで狩りを楽しんだ後に立ち寄ったなどの言い伝えがある。
撤去された西郷像は、1990年のNHK大河ドラマ「翔(と)ぶが如(ごと)く」の放送に合わせて地元商工会が設置した。岩風呂につかる姿だったが、ツルツルしたマネキンの表面が色あせ「井戸から現れた幽霊」とまで言われる状態に。このため、明治維新150周年と大河ドラマ「西郷どん」の放送を機に市が建て替えに乗り出した。
新しい像は以前と同じ高さ1メートルほどだが、胸板の厚い、がっしりした体格。子供のころに負ったという右肩の傷もあり、「細部にもこだわった」(市観光・シティセールス課)という。(城戸康秀)