乳がん手術後に胸を失った女性が、自らの手で胸の一部を「再生」する――。そんな講習会が新潟市で開かれている。「失った体の一部を自分で作れたら愛着が持てる」。前向きに生きたいという女性の願いを後押しする取り組みだ。
講習会を開くのは、新潟市西区の歯科技工所「シンワ歯研」。歯科技工士の本間理恵さん(38)は入れ歯作りの技術を応用し、3年前からシリコーン製の人工ボディーパーツを手がけている。手術や交通事故で失った部位を作っていたところ、患者の要望で乳輪・乳頭を作る講習会を開くことになった。6月に初めて開催し、2回目の10月下旬には4人の患者が参加した。
新潟市の吉川千尋さん(54)は2015年秋に乳がんが発覚し、右胸を全摘した。乳房再建手術を受けたが、乳輪・乳頭は作らなかった。
講習では、健常の方の乳輪・乳…