「吹奏楽の聖地」として親しまれ、来月から取り壊される普門館(東京都杉並区)の一般公開が5日始まった。吹奏楽ファンらが駆けつけ、あこがれのステージで思い思いの演奏を楽しんだ。一般公開は11日まで。
普門館、来月ついに幕 帝王も絶賛した「吹奏楽の聖地」
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普門館は1970年に開館。国内最大級の約5千人収容の大ホールを誇り、世界的指揮者のカラヤンや小澤征爾さんらが舞台に立ったほか、全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)も長年開催された。だが、耐震上の理由で2012年に使用が中止され、解体されることになった。
一般公開は、所有する宗教法人「立正佼成会」が吹奏楽ファンへの感謝の思いを込めて企画した。初日の5日は開場前から参加者らが列をなし、予定より30分早い午後5時半に開場した。
最初に入場した東京都八王子市の会社員、菅原佐織さん(45)は持参したクラリネットを演奏した。「東京都大会で数回、舞台に立った。客席を眺めて、初舞台で感じた、心が華やかになる思いがよみがえった。寂しいけれど、最後に来られて本当によかった」と話した。(横川結香)