国際天文学連合(本部・パリ)は12日、日米のアマチュア天文家3人が見つけた彗星(すいせい)を「マックホルツ・藤川・岩本彗星」と名付けた。日本人による彗星発見は5年ぶり。
国立天文台(東京)によると、新彗星は香川県観音寺市の藤川繁久(しげひさ)さん(74)と徳島県阿波市の岩本雅之(まさゆき)さん(64)が日本時間8日明け方ごろ発見し、同天文台を通じて国際天文学連合に報告した。2人の発見の約7時間前、米カリフォルニア州のD・E・マックホルツさんも見つけていた。
新天体の発見は大型望遠鏡での観測とコンピューター解析が主流。そんな中、岩本さんは自宅からデジタルカメラで地平線近くの東の空を複数枚撮影し、写真を見比べて気付いた。大型望遠鏡は構造上、地平線近くの観測が難しく、岩本さんは「地平線近くに狙いを定めてきた」。藤川さんはあらゆる高度をくまなく撮影するスタイル。「発見が少しでも自然科学の発展につながってほしい」と話した。
国立天文台によると、彗星の明るさは現在、肉眼では見えない「10等級」で、軌道は未確定。今月末にはより太陽に近づき、肉眼でぎりぎり見える「6等級」になる見通しだという。(三上元)