偽造した1万円札を神社で使ったとして、通貨偽造・同行使罪に問われた福岡県飯塚市の無職、広田千尋被告(41)の裁判員裁判で、福岡地裁(中田幹人裁判長)は13日、懲役3年執行猶予5年(求刑懲役4年)の判決を言い渡した。偽1万円札10枚の没収も認めた。中田裁判長は「本物の1万円札から切り取ったホログラムを貼るなど偽造方法は工夫され、犯意の強さがうかがわれる」と述べた。
判決によると、広田被告は3月28日ごろから4月12日ごろまでの間、飯塚市の実家などで1万円札をカラーコピーするなどして偽札を作り、太宰府天満宮など福岡県内の5カ所の神社で計10枚を使った。
判決は、「偽札は一見して偽造と分からないが、通常の家庭用プリンターで印刷され、精巧とまでは言えない。家族の生活費に困ったという動機は、遊興費目的などと比べ悪質とまでは言えない」と指摘した。(一條優太)