鹿児島県三島村の黒島に今秋できた村営の焼酎蔵で14日、焼酎の味を決める原酒ができる。国家戦略特区を活用して、黒島で初めてつくった。杜氏(とうじ)の重責を担うのは、元高校教師の移住者だ。
海を望む山の中腹に立つ真新しい焼酎蔵で、杜氏として仕込みをするのは、元高校理科教師、坂元巧斉(こうせい)さん(27)。昨年4月から島に移り住んだ。
本土の同県姶良市出身。鹿児島大で天文学を学び、県内の私立高で物理や化学、生物などを教える理科の教師として3年間勤めた。やりがいを感じる一方、知識を詰め込ませるだけの授業に物足りなさを感じていた。
「自分の手で何かを生み出す仕事がしたい」
そう思っていた2016年夏。…