山笠など博多の風物や人情を色濃く織り交ぜ、若者らの青春を描いた「博多っ子純情」。この漫画を九州朝日放送(KBC)がラジオドラマ化し、来年3月から放送する。脚本は原作者の長谷川法世さんが担当。漫画では表現できなかった臨場感などを加え、昭和の名作が現代によみがえる。
「キスはくさ どげんするか しっとうや?」「ばかにすんな 口と口ばひっつけるとやろもん」……。
威勢の良い博多弁がスタジオに響く。10月下旬にKBCで行われた、ラジオドラマの出演者6人を決めるオーディション。九州を中心に10~70代の男女から応募があり、この日は93人が参加。主人公の郷六平と悪友たちが交わす会話シーンなど、6役の参加者が話すセリフを長谷川さんら審査員が審査した。
「博多っ子純情」は1976~84年に「週刊漫画アクション」で連載され、78年には映画化された人気作。KBCは来年に開局65周年を迎えることから、関連プロジェクトとして企画した。ラジオドラマは漫画の「中学生編」をもとに65話を製作。3月4日~5月31日の月曜から金曜日、「PAO~N(パオーン)」の中の5分番組として「~博多に生まれ 90年のありがとう~明月堂特別企画 ラジオドラマ『博多っ子純情』」のタイトルで放送する。期間中の週末は総集編を30分番組として流す。
原作をベースに長谷川さんが脚本を書くが、原作にはない役も登場予定。KBCの人気番組「アサデス。」や「ドォーモ」の出演者らも出るという。長谷川さんは「ラジオドラマの脚本は初めて。ずっと絵で勝負してきたので、言葉だけでどこまで表すことができるか手探りで大変だが、久しぶりに胸が高まっている。声や音を加えると作品が動き出す感じがするので今から楽しみ」と話す。(安斎耕一)