日常にあるものとミニチュアの人形を使って小さな物語をつくり、写真で表現するミニチュア写真家、田中達也さんの展覧会「MINIATURE LIFE展~田中達也 見立ての世界~」が、テレピアホール(名古屋市東区)で開かれている。
クロワッサンを雲に、ブロッコリーは葉が生い茂る木々に。野菜や食べ物、食品サンプル、文具など日常にあるものを別のものに見立てた作品は今、国内外で人気を集めている。田中さんは毎日1作、インスタグラムなどで発表しており、フォロワーはすでに160万を超えている。
色とりどりの付箋(ふせん)がたくさんついた辞書はボルダリングの壁に見立てられ、「問題の解き方は人それぞれ」という題の通り、付箋に手をかけて登る人形はどこか滑稽で、見る人をくすりと笑わせる。
会場には写真のほか、撮影に使ったミニチュア作品、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニング映像に使われたジオラマなど、あわせて130点も展示している。写真撮影は自由で、来場者は田中さんになった気分で、ミニチュアの撮影を楽しめる。
誰にでもわかるモチーフを、誰にでもわかる物や事柄に見立てることを心がけているという田中さん。ミニチュア写真の魅力について、「ミニチュアの視点から日常を観察することで、日ごろ何げなく見ているモノの見方が変わり、新しい発見が得られる」とのコメントを寄せている。
11月25日まで。中学生以上は1千円、小学生500円。未就学児無料。
展覧会は12月27日から新潟市の「新潟三越」で開かれるほか、台湾でも個展が開かれる予定だという。(斉藤佑介)