約半世紀前、若き新聞販売所長は思った。「子供たちにもっと新聞を読んでもらいたい」。一人の思いから始まった三重県四日市市、三重郡の新聞スクラップコンテスト。小中学生の夏休み恒例の課題として続けられてきたが、一定の役割を果たしたとして、45年目の今年で幕を閉じることになった。
10月18日午後。四日市市の葛西文雄教育長から、朝日新聞四日市販売の嶋伸夫代表(48)に感謝状が贈られた。葛西教育長は「45年間、ずっと子供たちに新聞を開かせ、国語力を高めてきた。本当にありがとうございます」と話した。
1971年、同市西日野町の岡本正明さん(73)はASA日野の所長となった。当時26歳。理想に燃えていた岡本さんは、新聞の契約を取る際の営業手法に疑問を持っていた。
「いい新聞、いい商品だと分か…