昨年末に閉園したスペースワールド(北九州市八幡東区)の跡地で20日午前、スペースシャトルの模型の解体が進み、「オービター」と呼ばれる軌道船本体が撤去された。園のシンボルであり、街のランドマークだった「機体」は、轟音(ごうおん)と、見守る市民らの悲鳴の上がる中、ゆっくりと崩れ落ちた。
大半の遊具や施設は、すでに他の遊園地などに譲渡されたり、解体・撤去されたりしている。スペースシャトル「ディスカバリー号」の実物大模型(高さ約60メートル)は譲渡先がなく、一時は存続を検討した市も、10億円と試算された費用がネックになって、引き取りを断念した。
解体作業は19日に始まり、20日朝から本格的な工事に入った。アームの先に鉄骨カッターが付いた重機が、軌道船を片側から徐々に解体し、中の骨組みが丸見えになった。
午前11時過ぎ、中ほどに亀裂が入った軌道船を、アームが横から押すようにすると崩落した。
園のそばのマンションに住む主婦の中野敦子さん(64)はシャトルの立つ園を、部屋のベランダから日々、見てきた。この日、シャトルのそばで工事を見守っていると、急にものすごい音が鳴り響いた。「あれほど大きい物が倒れるのを見たのは初めてで驚いた。見届けられてよかったけれど、だんだん寂しさがわいてきた」と話した。
閉園まで14年間、園で働いて…