御船町恐竜博物館は9日、熊本県益城町川内田付近で35年ほど前に見つかったクモヒトデの化石が新種と確認されたと発表した。約9千万年前の白亜紀のものとみられ、クモヒトデのステゴフィウラ属に分類される。同属の化石では世界最古という。
この化石は1983年ごろ、塾を経営していた門川勝さん(66)=熊本市東区=が教え子たちと化石採集をしていて発見した。直径約2センチ。2匹をほぼ完全な状態で確認できる。その後同館に寄贈され、東京在住の元高校教諭で約40年間クモヒトデを研究している石田吉明さん(70)らが新種と気づき、10月にスイスの古生物学専門雑誌で発表した。
石田さんによると、新種は盤に小さな突起があることや、腕にあるとげが長いことが特徴。浅い海域にいたとみられ、現在は水深100メートル前後の海底に生息するクモヒトデの「生息環境の変化を知る上で意義深い」。共同研究者が宮崎駿監督への敬意からステゴフィウラ・ミヤザキイと命名した。化石は同館で13日から展示される予定。(清水優志)