パレスチナ自治区ガザ地区で幾度もの戦闘をくぐり抜けた同地区唯一のグランドピアノが20年前に日本が寄贈したものと確認されたことを受け、日本人音楽家による記念のコンサートが25日開かれた。ガザの市民約300人が友情と平和を願う音色に聴き入った。
ガザ地区はイスラエルに周囲を封鎖され、2014年夏の大規模な戦闘では市民ら2200人超が死亡した。グランドピアノがあった建物も砲撃で破壊されたが、ピアノは奇跡的に無事だった。長く奏でられていなかったが、ベルギーのNGOがピアノの調律師を派遣し、弦を交換するなどして修復。日本の外務省が今月、ピアノの型番から1998年に寄贈したものと確認すると、パレスチナ自治政府が日本に感謝を伝えるコンサートを開催した。
東京都在住のピアニスト・今東薫さんが豊かな音色で「さくらさくら」などの日本の曲やオペラ曲を演奏し、ローマ在住のオペラ歌手・平井富司子さんが伸びのある美声を響かせた。会場の席を埋め尽くした市民から大きな拍手がわき起こった。音楽を学ぶガザの若者が演奏する一幕もあった。
今東さんは「ガザと日本の思い…