丸木位里(いり)・俊(とし)夫妻が描いた反戦・反核の象徴として知られる「原爆の図」を、国際的な評価と人気を得ている現代美術家の視点から読み解くと、何が見えてくるのか。物憂げな表情を浮かべた子どもの絵などで知られる、画家で彫刻家の奈良美智(よしとも)さん(58)が原爆の図について語る催しが18日、広島市中区の広島平和記念資料館であった。奈良さんの事務所によると、奈良さんが原爆の図について講演するのは初めて。
被爆者は今、核兵器と人類の関係は…核といのちを考える
広島市現代美術館で、原爆の図をテーマにした特別展「丸木位里・俊 《原爆の図》をよむ」(11月25日まで)が開催されたことを機に、所蔵する原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)が対談を主催した。東京国立近代美術館の蔵屋美香主任研究員が聞き手を務め、約230人の聴衆が聴き入った。
企画の出発点は、今年4月に亡くなった映画監督の高畑勲さんの言葉だった。
冒頭にあいさつした丸木美術館…