2025年の大阪万博が決まった。大阪で開くのは1970年に続いて2度目。そのころより世の中は格段に便利になり、万博のありがたみが薄れゆくなか、世界に何を見せるのか。3人の識者に聞いた。 谷口真由美さん 大阪国際大准教授 「万博」と言われても、わくわくしないですね。 1970年の大阪万博は意味があったと思います。人やモノの移動が難しい時代に、パビリオンで各国を疑似体験して世界を知ることができたから。「太陽の塔」のような訳のわからんものが残ったのも、おもしろい。でも、いまは違う。海外旅行やネットで世界中の情報を得られます。 にもかかわらず、70年万博の衝撃を忘れられない世代が、政官財のトップになって誘致活動を進めました。その主要メンバーは男ばかり。「オールジャパン」の誘致ではなく、「オッサンジャパン」です。オッサンたちのノスタルジー(郷愁)につき合わされたくないんですよ。 他の2人の意見は 「お金があると知恵を絞ることを怠るリスクがある」。映画「カメラを止めるな!」を300万円で製作した監督上田慎一郎さんは、そう指摘します。国際日本文化研究センター教授の井上章一さんは「万博の値打ちは下がっている」としつつ、小さな幸せについて語ります。 会場予定地の大阪市湾岸部の人… |
「万博はオッサンの郷愁」 世界に何を見せるの?
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