京都大は14日、2020年度から始まる大学入学共通テストで導入される英語の民間試験の成績について、21年2月にある一般入試の出願の必須条件にしないと発表した。高校の調査書でも代替できる。北野正雄副学長は「想定外の事情が起こることを懸念している。高校の書類をセーフティーネットとしたい」と説明した。
京大の山極寿一(じゅいち)総長が会長を務める国立大学協会は、共通テストの英語で「読む・聞く・話す・書く」の4技能を測るため、民間試験を全受験生に課すという方針だ。北野副学長は「救済する手立てを施すのが大学の責任」と指摘。民間試験を受験しておらず、京大を受けられなくなる人が出ないようにするための「経過措置」と説明した。
東京大や名古屋大も、成績提出を必須としない方針を公表している。
京大はまた、来年2月の一般入試から、問題の解答例や出題意図を公表することも明らかにした。4月上旬に京大のホームページで解答例や問題文を公表する。記述式が多く、解答プロセスを重視しているため、解答例を示せない場合は出題意図を示すとしている。京大では昨年、物理の入試で出題ミスがあり、17人が追加合格となっていた。(徳永猛城)