ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大の本庶佑(ほんじょたすく)特別教授(76)が14日午前、授賞式などの行事を終え、スウェーデンのストックホルムから帰国した。関西空港に到着した本庶さんは「長い1週間でいろんなことがあったが、気分よく帰ってきました」と語った。
ストックホルムで、共同受賞した米テキサス大MDアンダーソンがんセンターのジェームズ・アリソンさん(70)との共同会見や記念講演、授賞式、晩餐(ばんさん)会などの公式行事に参加した。スウェーデンの国会議事堂では、国会議員を前に、基礎科学への投資を訴えた。「ちょっと過密スケジュールで、一緒に(ストックホルムに)行った共同研究者と祝う時間が少なかったのが心残り」と語った。
報道陣にメダルを披露した際は「触らないでね」と笑顔を見せた。メダルは授賞式後にいったん返却し、帰国直前の13日にノーベル財団で受け取った。このとき、歴代受賞者の写真とサインが書かれた本を見せてもらったという。「湯川秀樹さんのものを見て、歴史の重みを感じました」
本庶さんは「(来年は)できるだけ自分のペースで研究を続けていきたい。若い人の研究や基礎研究をしっかりサポートする努力をしていきたい」と話した。(後藤一也)