自動車や住宅の減税を柱とした来年度の与党税制改正大綱が14日決まったが、来年10月の消費増税対策を優先し、減税ありきの議論に終始した。負担増の議論は避けられ、格差問題など、税制が抱える課題を解決するための抜本改正は軒並み先送りされた。
「今回一番大事なことは、消費増税と軽減税率の導入を着実にやっていくこと。何とか所期の目的に沿う形でまとめられた」
大綱決定直後に会見した自民党の宮沢洋一税制調査会長は、こう強調した。大綱には、増税で消費への影響が懸念される住宅や自動車の減税策が並んだ。
だが、税調での議論は、減税の細かい財源探しにばかり費やされた。
増税負担の軽減を求める自動車業界の意向を受け、経済産業省は恒久減税を主張したが、総務省や財務省は当初、「財源がない」と反発していた。
安倍晋三首相は党税調の議論が始まる前の10月、自動車の減税を検討する方針を表明。首相に近い政権幹部から「これができなければ、消費税は二度と上げられない」との圧力がかかると、恒久減税を容認する流れになった。
結局、エコカー減税の縮小など…