首都圏で飼育される唯一のラッコだったアクアワールド茨城県大洗水族館(大洗町磯浜町)の「カンナ」(雌、15歳)が先月27日に死んでいたことが、同館への取材で分かった。同館は追悼のパネルを設置し、別れを惜しむファンが訪れている。
10月に15歳の誕生日を迎えたばかりだったカンナ。飼育担当者によると、4年ほど前から体調を崩し、11月上旬ごろから徐々にエサを食べなくなった。亡くなる前日には意識がほとんど無い状態で、プールでおぼれていたという。体を温めてもらい、一時はエサを食べるまで回復。だが体温調節機能の低下などで、同月27日午後3時ごろ、飼育員に見守られながら静かに息を引き取った。
カンナは2005年2月、繁殖のため神戸市の須磨海浜水族園から大洗にやって来た。これまでに6回、雄の「トニー」との間で妊娠したが、死産などで赤ちゃんは育たなかった。
大好きな氷をおなかに抱え、かじったり遊んだりする愛らしい姿でみんなの人気者だった。「かわいい姿をみせてくれてありがとう」「ずっと大好きだよ」。カンナがいた水槽前には全国のファンからお別れの手紙や感謝の花束が届いている。
夫婦で群馬県伊勢崎市から訪れた製造業の大谷天誠(たかあき)さん(27)は「関東でラッコが見られる貴重な場だったので寂しい。また可愛らしいラッコに来て欲しい」と話した。生前の元気なカンナの写真を紹介したパネルなどの設置は21日まで。
飼育を取り巻く環境、世界的に変化
同館によると、1年前に横浜・…