富山刑務所(富山市西荒屋)で毎年末、受刑者たちが思いっきり好きな歌を歌う「カラオケ大会」が開かれている。普段歌う機会はなく、大きな声を出す場面も限られる受刑者らにとっては、年に1回の楽しみ。受刑者の一人は今年、「自分を変える機会に」と出場を志願した。
大会は1980年12月、更生支援の一環で始まった。地元の音楽家らがボランティアで司会や審査員を務め、事業者がカラオケ機材を無償でレンタルする。
今月14日、受刑者277人が集まった。所内に10カ所ある作業工場から自薦・他薦で選ばれた10人が順にステージに上がり、「親孝行出来ずに亡くなった母親を思い出す」「飲み屋でよく歌った」など、緊張した面持ちで選曲理由や意気込みを述べる。
秋川雅史さんの「千の風になって」、湯原昌幸さんの「冬桜」、秦基博さんの「ひまわりの約束」……。次々に名曲を歌い上げる受刑者に、めいっぱいの拍手が送られる。
8番目に歌った男性(28)が…