平成が終わり、新たな時代が幕を開けようとしている。先を急ぐその前に、少し立ち止まって、和歌山の人々が歩んできた「戦後の昭和」を振り返ってみたい。元日は「歌」を究めた2人が語る、昭和という時代――。
青春 濃い記憶
《大阪で本格的に音楽活動を始めるまでの約20年間、多感な時期を昭和の和歌山で過ごした》
子どもの頃は建て替え前の丸正百貨店の食堂で、国旗が刺さったお子様ランチを食べに行ってました。地下にはジュース売り場がありましたね。確か母親が働いていたことがあるような気が……。
昔ぶらくり丁商店街にあったイワキレコードの楽器売り場でバイトしていたんです。にぎわいはもうヤバかったです。それこそ今の心斎橋みたいな感じで、そこにある店も全部にぎわっていましたね。
和歌山市から白崎海岸(由良町)まで自転車で遊びに行ったこともありましたね。思春期ってその後何年経っても、その時代を超える記憶にはならない。和歌山より東京で住んでいるほうが長くなってしまったけど、それでも和歌山でのほうが濃い人生を過ごしたと思います。青春の歌詞を書こうと思っても、友情とかそのころのことを思い浮かべますし。
《かつては和歌山市出身である…